「バーチャルオフィス」の意味が激変!?
皆さんは「バーチャルオフィス」という言葉を聞いたことがありますか? 自営業や副業での収益化を目指したことがある方なら耳にしたことがあるかもしれませんね。
バーチャルオフィス。直訳するなら「仮想的事務所」といったところでしょうか。
バーチャルオフィスは1960年代にアメリカが発祥と言われています。
基本的に事業を行うためには事業主体の所在地があること、連絡先とその方法が確保できることが重要です。当時のアメリカでもそれは変わりませんでした。
起業するために事務所を借りる。登記する。電話を引く。当時はFAXが使えることが非常に重要だった時代。FAXの回線と機械も用意します。小規模事業だったら自分はサービスの提供を行わなければなりません。そうすると「電話番」が必要になるため従業員も雇い入れなければなりません。そうなるともう……いくら用意すればよいのやら。もしこれで事業に失敗してしまったら、それはもう目も当てられない事態です。
こんな起業リスクや事業が軌道に乗るまでの経営リスクを軽減するため、最も負担が大きい不動産関連固定費を下げたいというニーズはいつの時代も変わらないのです。
こうしたニーズから「バーチャルオフィス」が生まれました。
「バーチャルオフィス」の別名は「レンタルオフィス」。電気・水道といった生活インフラの他に電話・FAXの回線などの情報インフラを共用し、個室と机といった最小限の設備を提供。なかには電話番サービスまで提供するものもありました。
これがまったく同じスタイルで日本にも導入されました。
こうしたシステムは小規模事業の立ち上げには非常に助かるもの。現在ではFAXの代わりにインターネット回線などが提供される上、共同の会議室や応接室などの設備を提供するところも増加。なかには共用のシャワーやカフェが併設されたバーチャルオフィスも生まれ、現在では異業種がひとつの空間を共有することでビジネスメリットを生む「シェアオフィス」的意味合いが強まっているようです。
新型コロナで進化
さて、このように従来のバーチャルオフィスとは「低コストで利用できる超小規模低額オフィス」ということになります。
しかし近年、高速インターネットが普及してきたことや専用アプリが増え、デジタル環境が急速に発達。これにより今までイメージ的な意味で用いられてきた「バーチャル」が、物質を介さない「バーチャルリアリティ」的意味合いへと変化し始めました。仮想現実的バーチャルですね。
そこにきて、今回の新型コロナウイルスの影響が発生しました。会社に出社することができない日常の発生です。これにより「テレワーク」、「リモートワーク」へのニーズが急増したのです。
こうしたニーズに伴い、Web会議や情報共有、資料アーカイブ、そして意外と重要な雑談まで、実際のオフィスで実現されていた様々な機能をWeb上で実現するシステムが充実。もはや単純なテレワークシステムとは言えないレベルへ。新型コロナウイルスの蔓延が始まってからまだ1年未満だというのに、テレワークはもはや「バーチャルオフィスツール」という新たなジャンルを形成するほど急速な進化を遂げているのです。
バーチャルオフィスツールとは
では改めて現代版(あるいはこれからの)バーチャルオフィスを実現する「バーチャルオフィスツール」について整理してみましょう。
バーチャルオフィスツールとは、簡単に言えば「Web上に仮想オフィスを構築し、現実オフィス感覚でリモートワークができるツール」のこと。
これまでのリモートワーク用ツールでは「リモート会議は要件を整理して時間を厳守しなければならないイメージ」があったり、「雑談から得られていたインスピレーションが得られなくなった」などの声がいくつも生まれていました。
これに対し、進化を続けている「バーチャルオフィスツール」ではこうした点が大幅改善されています。
バーチャルオフィスツールの“気の利いた”ポイント■距離の概念進化したバーチャルオフィスツールでは、これまで実現できなかった距離の概念が取り入れられています。「距離」を体感させるためのツールとなっているのが「声」です。 たとえば画面に登録者のアイコンを表示させておき、自分のアイコンと他者のアイコンを近づければ、そこで行われている会話が大きく聞こえてくるといったカタチです。もちろんこの会話に参加することも可能です。 ■会話の即時化実際のオフィスでは、声をかければそこからすぐ会話がスタートします。でも、従来型のリモートシステムでは、時間を合わせたりアレコレ面倒なものでした。 しかし最近のバーチャルオフィスツールでは、音声チャットの常時化に力をいれているサービスが増えてきている印象があります。これまでの映像主体のWeb会議システムではメイクや服装に気を使う必要がありましたが、音声チャットではこうした面倒がない状態でより緊密なコミュニケーションが可能となります。 ■“席”の概念バーチャルオフィスツールの中には、現実のオフィスと同様に自分の「席」を設定できるものも生まれています。こうした機能は通信機能だけではなく、リモート勤務で心的忌避感を生んでいた「孤独」に対しての挑戦的アプローチをだと言えるでしょう。 こうした機能はPCカメラで自動撮影した写真を定期的に共有したり、いくつもの会議室に自分のアイコンを表示させることで登録者同士のフレキシブルな対話を促しています。 |
コミュニケーション的課題がメインに?
バーチャルオフィスツールの組成を見ると、やはり新型コロナ以降に急減したコミュニケーションの補填機能を盛り込んだツールが増えているようです。
こうした動向は論拠となっているのが、一般的テレワークを多くの人が体感した結果として報告されている孤独感や精神的ストレスの増加です。ここ数ヶ月、こうした精神的・感情的ストレスの報告が跡を絶たず、精神的・感情的課題を解決するツールが多く誕生。もはや主流は「自宅でいかに疑似オフィスを体感するか」という工夫と競争になりつつあるように感じられます。
ここで注意すべきは、こうした感情や精神を対象とした議論と対策は、それよりも先に徹底した情報ガバナンスに関する議論を終えたあとの問題であるという点です。
私たちはすでに多くのSNSでフレンドとの一体感や承認快感と、その一方で発生したアカウントの乗っ取りなどのリスクを実体験してきました。また情報漏えいや炎上のニュースに触れたことがある方も少なくないことでしょう。
いま、私たちはアフター・リモートとしてのバーチャルオフィスツールの波に触れ始めており、現在の状況はSNS普及過渡期と非常によく似ていると考えられます。
人間は、コミュニケーションがなければ安心や安定、そしてハイパフォーマンスの実現が難しい生き物かもしれません。でも、その前提として高次のセキュリティなどの安全環境やあるということを忘れてはならないのです。オフィス=事務所。秘匿性の高い情報の往来は日常茶飯事です。だからこそ、安全性能の高さを絶対に忘れてはならないのです。
「組み合わせて使う」という手が!
こうして考えると、実は高次の安全性とコミュニケーション性能を両立させる100点のツールというものは、もしかしたら見当たらないのかもしれません。豊かなコミュニケーションツールがあったとしても、安全が担保できていなければ使うわけには行かないのです。企業の経営陣だって経営責任があります。いくら「このコミュニケーションツールは優良です!」と提案しても「じゃ、セキュリティ性はどうなの?」と質問せざるを得ないのです。新興のバーチャルオフィスツールのコミュニケーション性能が優れていても、それを安易に導入するわけにはいかないのです。
ではどうするべきか。
ここはひとつ、潔く割り切って考えてみると良いでしょう。
情報共有など安全性・秘匿性が求められる部分は、高次のセキュリティが保証・実証されたものを活用する。
コミュニケーションツールとしては、豊かなコミュニケーションを実現できるバーチャルオフィスツールを活用する。
ファイル共有やログの保存の観点から「これらのシステムは一つにつながること」が望ましい(というか不可欠条件ですね)。
つまり、優れたツールを組み合わせて使うという考え方です。
そこで提案したいのが「box」をプラットフォームとしたバーチャルオフィス環境構築です。
「box」によるバーチャルオフィス化
『ありコレ!』でも再三ご紹介してきたとおり、「box」は非常に優れたコンテンツ・マネジメント・プラットフォーム。その安全性はアメリカ政府・イギリス政府が公式にboxを利用していることでも証明されています。また、政府レベルの膨大な情報量をも許容できる安定共有環境は、まさに類を見ないものであると言えるでしょう。
また、「box」で特筆すべきは「エコシステム連携」という考え方。エコシステム(ecosystem)とは「生態系」のこと。生物環境では森であろうと磯辺であろうと、生物同士がお互いがお互いを必要としながら「環境として」全体的に成立しているのです。「box」が実現するのは、まさにビジネスでの生態系。「box」という大海のなかで、さまざまなシステムが共生しあうことで効率的な自然環境=ビジネス環境を構築していくのです。
このエコシステム連携を用いれば、高次のセキュリティ環境による情報共有はもちろん、豊かなコミュニケーションを提供するツールの活用も可能。それぞれのシステムの「良いとこ取り」の運用が可能となるのです。
テレワークはもちろん、これからのバーチャルオフィスを模索するなら、豊かなコミュニケーションと安全性の両立は欠かせません。バーチャルオフィスをご検討の際には、ぜひ「box」という選択肢についてもご検討いただければと思います。