山積みの紙文書をなんとかしよう! 【その2】

ジーベックソリューション

前回、皆さんのオフィスで山積みになっている紙文書が生み出す課題と、その解決方法としての「文書の電子化(スキャニング)」についてお話しました。

前回の『山積みの文書をなんとかしよう! 【その1】はこちら』

今回は、その「電子化」のお話し第2段。

契約書など、企業とユーザにとって重要な紙文書を「電子化(電子画像化)」する上で発生する不安や疑問についてお話します。

 

紙文書を電子化する上での心配事

企業に山積みになっている紙文書が生み出す様々な課題。これらを解決するためには、やはり「電子化」が最適であることは言うまでもありません。

ここで、紙文書の電子化が企業に与えるメリットを改めて整理してみましょう。

 

 

こうしたメリットは現在勤務されている会社員の皆さんの働き方改革のひとつになる可能性があるものです。特に検索効率の向上や、文書が置かれた場所以外での閲覧が可能になる「クラウド化」は非常に大きな価値を持っていると考えられます。

このような紙文書の電子化ですが、検討する上で一番気になるのが「電子化して法的に問題ないのか」という点ではないでしょうか。

ここでいう「法的に」という言葉、電子化対象が契約書などが多いことから「裁判で通用するの?」という不安であると言い換えることができそうです。

手書きのサインがあるものでなけれは、裁判で通用しないのではないか。

紙に印鑑が押してある「原本」でなければ法的効果がないのではないか。

そんな不安があるのだと思います。

結論から言うと、契約書や帳簿書類、人事書類などをスキャニングし電子画像として保管していても法的には問題ありません。

まず、契約書を始めとする各種文書を作成する理由について考えて見ましょう。

企業をはじめとする事業者が各種文書を作成する理由は主に以下の3点に大別できます。

 

 

契約書などが法的効果を持ち裁判の証拠として有用なのは、「誰が書いたものか判別可能だから」という理由から。もちろん他にも色々と理由は考えられますが、企業が用いる文書の内容や要件を考えると、やはり「いつ」「誰が」「どういった内容について責任をもって取り交わしを行ったか」などが重要になります。

こうした要件は、筆跡や印影も含めて電子化画像でも十分に担保可能であることから、現在ではまったく問題はないと考えられています。

さらにもう一つ重要なのは「改ざん履歴」についてです。

紙の文書で優れている点は、掲載事項の改ざんを行おうとすると必ずその痕跡が残る点です。つまり一般的に紙文書は改ざんが難しいのです。一方電子化書類は画像データですから、画像編集ソフトなどを用いれば改ざんは比較的容易です。

しかしながら、こうした点についても電子署名タイムスタンプと行った技術が発達したおかげで「署名者本人が作成したこと」「タイムスタンプ以後改ざんされていないこと」が証明できるようになりました。これにより、電子ファイルも民事訴訟の証拠として十分な機能を担保できるようになったのです。

ここで、法定でも通用する電子化の条件を整理してみましょう。

 

 

法的根拠の確認

さて、技術的側面から証拠能力を担保できるようになったのは十分おわかりいただけたと思います。ではこれらの技術が民事訴訟でも十分な証拠能力を有するとする法的根拠はどうなっているのでしょうか。ひとつずつ整理してみましょう。

まず、初歩の初歩から。そもそも紙に記述され、押印された契約書などの文書の法的根拠について確認してみましょう。

この根拠としては民事訴訟法第228条4項「私文書は、本人またはその代理人の署名または押印があるときは、真正に成立したものと推定する」が挙げられます。つまり、大事なのは本人または代理人の署名と押印。まずこれが基本となります。

そしてここで注意したいのが「真正に」という言葉。この言葉には「該当し文書に署名・押印した本人が自由意志のもとで同意し作成した文書」であることが含まれるとされています。したがって「署名」「押印」がそろっていれば、正しい効力を持つ私文書であろうと考えられるわけです。

また、電子署名法第3条では以下の通り規定されていますから、電子化した文書でも「署名」「押印」「電子署名」があれば真正な私文書として認定され、民事裁判でも証拠能力を持つと考えられます。

 

電子署名法第3条

電磁的記録であって情報を表すために作成されたもの(公務員が職務上作成したものを除く。)は、当該電磁的記録に記録された情報について本人による電子署名(これを行うために必要な符号及び物件を適正に管理することにより、本人だけが行うことができることとなるものに限る。)が行われているときは、真正に成立したものと推定する。

 

したがって、既存の紙文書を電子化する際に気になる「法的に大丈夫?」という不安については「正しい技術と方法論をもって電子化すれば大丈夫」ということになります。

 

さて、いかがでしたでしょうか。

企業の多くの課題を生み出す山積みの紙文書。
その解決法のひとつとして、「電子化」が有用なことがわかりました。
今回はその根拠となる法律についてお話しました。

皆さんの悩みの糸口になれば幸いです。

さて、次回は『山積みの紙文書をなんとかしよう! 【その3】』と題して、実際に電子化を行う際の注意点などについてお話します。

電子化は、企業の多くの課題を解決手段となりえるものです。

ジーベック株式会社は、契約書をはじめとする様々な文書電子化を中核事業のひとつとする企業です。
電子化の専門企業としての知見・業務経験をもとに、様々なお問い合わせにお答えしています。
皆さんの会社に山積みとなった契約書や人事書類、製造関連の書類、そして履歴書や学歴書などの人事書類など。文書の電子化についてなら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

※本記事に登場する法律・法令等は一般的解釈根拠であり、裁判時の正当性および勝訴を確約するものではありません。

会社の一角を占領する膨大な文書の電子化について
ご相談・お問い合わせはこちら