対面は? 移動は?秋冬に向けてのコロナ対策!

ウィズコロナ

ん? 新型コロナは沈静化したの???

今年4月17日の緊急事態宣言から5ヵ月。新型コロナウイルスは、日常生活上不可避の前提として存在し続けています。

しかし、連日の報道を見ていると、感染拡大初期よりも重篤化するケースが少なくなっているような印象。「Go To」関連キャンペーンも連日取り上げられるなど、「あれ、もう新型コロナって終息したの?」と錯覚してしまいそうになります。

でも、これは大きな間違いです。

NHKの特設サイトなどでもわかりやすく発表されている通り、いまだ新型コロナウイルスは日常に根をおろしたまま存在し、感染者数は減少していません。重篤化する感染者も存在し、生命の危機に瀕する症例も厳然として存在します。むしろ、増えているようですね。新型コロナウイルスの驚異は依然として身の回りに存在し続けているのです。

そこで今回は、これからのビジネスシーンで考えられるいくつかのシーンごとに、新型コロナウイルスへの備えをどうしていくべきかについて考えてみたいと思います。

それぞれビジネス上多くの企業が、そして多くのビジネスマンが頭を悩ませている項目です。もちろん、防疫活動はそのシーンや状況ごと検討を重ね、判断を繰り返していかなければならないものです。当記事は防疫の効果などを保証するものではなく、皆さんのこうした「検討と判断の参考」としてお読みいただければと思います。

NHK特設サイト/『新型コロナウイルス』2020.9.14より

 

 

まず知っておくべきこと

新型コロナウイルスの感染を防ぎつつビジネスを展開するためには、まず「感染症」そのものについて知っておく必要があります。

「感染症」とは大気、水、土壌、動物などの環境中に存在する微生物が人体に侵入することで発生する疾患です。

ここでいう微生物とは「細菌」「ウイルス」「真菌(カビなど)」といったもの。これらの中で、感染症を引き起こすものを「病原体」といいます。つまり「感染」とはこの「病原体」が体の中に侵入し、定着・増殖することを指します。したがって、「感染」を防ぐためには“病原体がどういう経路で体内に入るか”をしっかりと把握する必要があります。

基本的に「病原体」の感染経路は①接触、②飛沫、③空気、④一般媒介物(汚染されたものからの感染)、⑤昆虫・小動物の5つに大別されます。この5つの経路をどう扱い、「病原体」の侵入をどう防ぐかが防疫や衛生管理の基本となります。

新型コロナウイルス感染症で知られるようになった「三密の回避」は、この5つの経路のうち、①接触、②飛沫、③空気(および④一般媒介の一部)を効率的に防ぐためのものです。新型コロナウイルスが猫や犬に感染するという事実は、2020年8月にペット保険提供会社が行った検査で「陽性」が確認されたと発表したことを契機に広がりました。しかし、東京都獣医師会などは、現時点ではペットから人間への感染(⑤昆虫・小動物からの感染に該当)は限りなく低いと考えられるとしています。こうしいた状況から、新型コロナウイルスやインフルエンザといった感冒症状を引き起こす感染症対策には、やはり①接触、②飛沫、③空気という3つの感染経路をコントロールしていくことが重要だと考えられるのです。

 

 

 

 

「第一波」と現在の違い

現在の状況や対策を検討する前に、もうひとつ整理しておくべきことがあります。それは、新型コロナウイルス感染症がパンデミック化した「第一波」の頃と現在の状況の違いです。

PCR検査などにより、新型コロナウイルス感染症に罹患したと判断された「患者数」は、実は「第一波」よりも現在の方が膨大化しているのです。その割に世間から深刻な空気が抜けているように感じられます。

その理由のひとつが「重篤化するケースが減っている」印象があるという点です。

厚生労働省発表によると、2020年9月14日現在、入院治療を要する重篤患者の数は「第一波」時のピークである5月3日付近よりも8月以降の「第2波」と目される時期の方が多くなっているのです。元来、感染症には顕性感染と不顕性感染という2つの分類が存在します。

顕性感染ははっきりとした症状が現れるケース。不顕性感染は症状が出ないケース。いわゆる「無症状感染」といわれているものです。

現在、新型コロナウイルス感染症の状況を見ると、この不顕性感染が増えてきているように見えます。

実はこの不顕性感染が非常に厄介なのです。

感染しているにも関わらず症状が出ない。つまり、一般生活を行っているうえでは、感染した自覚がない状況です。こうした状況の場合、感染したと知らずに日常行動を行うわけですから、知らないうちに第三者へと感染が広がる可能性が高まってしまうのです。

「第一波」の頃は感染拡大の速度が早く、かつ重篤化するケースが非常に多く報告されていました。しかし現在は適切な対応・措置の事例が蓄積されてきたこともあり、重篤化を防ぐことができる可能性も高まっているようです。もしかしたらネットで頻繁に話題となるウイルスの変異による低毒化の可能性も否定できませんが、気まぐれ的変異に安心することはできません。私たちが防疫・衛生の前提として捉えるべきは「無症状でも感染している恐れがある」「もしかしたら目の前の人や自分自身が感染している可能性がある」という事実を念頭に、企業活動やビジネスの動向を決定していく必要があるのです。

 

 

【留意点】対面商談の場合

「第一波」が終わったあと、ビジネスの現場では訪問や対面での商談が戻りつつあります。

ビジネスの現場における「第一波」の影響で最も大きな変化だったのは、商談や通常業務のオンライン化(リモート化)だったと考えられます。

では、「第一波」が終わり、重篤化症例が減っている現在、もうオンライン商談などの措置は必要ないのでしょうか。

結論からいうと、「現在はさらに重要性が高まっている」と断言できます。

先程も紹介したとおり、現在は不顕性感染(感染しても無症状な感染)が増加。誰が感染しているか非常にわかりにくくなっています。したがってオンライン商談をいま停止することは感染の危険性を拡大させる結果につながるのです。

また、来店型店舗などでは、どうしても対面接客・商談が発生してしまいます。

その場合はやはり「三密」の回避を基本とした対策が必要となります。

対面商談の場合、最も重要となるのが飛沫感染の防止措置です。

飛沫とは対話・発声・くしゃみや咳などをした際に飛ぶしぶきのこと。これを防ぐためには、マスク着用などの徹底が不可欠となります。したがって、店頭等における対面商談(対面接客)では、以下の項目が必須項目となります。

また、手洗い・うがいの徹底は対面商談に限らず防疫・衛生活動の基本中の基本。ぜひ実施の徹底を呼びかけてください。

 

 

実は最近、商談の場から飛沫感染防止パネルなどを取り外す店舗が出てきているようです。これは店舗運営者の「もう大丈夫」という判断に基づくものだったり、カウンター式の飲食物提供サービスの展開が難しいためだったり、理由はいろいろある模様。

でも、まだ取り外すべきではありません。

私たちジーベックでも、設置・廃棄を楽に行うことができる飛沫防止パネルを販売しています。まだまだビジネスには必要な資材です。もしご興味がある方は以下のお問合せフォームからぜひご連絡ください。

 

 

 

 

出張時の移動における留意点

ビジネスが動き出すと発生しがちなのが出張です。新型コロナウイルス感染症が蔓延してからというもの、出張の往来で何気なく使っていた電車や飛行機といった移動手段も感染不安の温床となりました。

しかしながら、少しずつビジネスが活性化している現在、出張が不可避となる方々も少なくないようです。そこでここでは出張時の移動に焦点を当てて考えて見たいと思います。

ここでまず、前提としてお話すべきことはただひとつ。「本来はまだ移動すべきではない」ということです。現在もまだ新型コロナウイルスの猛威は続いており、状況はまったく好転していません。何となく「重篤化する患者が少ない気がする」というだけのことなのです。こうした状況で人間が長距離移動するということは、ウイルスまで移動させてしまう可能性があるということに他なりません。したがって「可能なら出張は回避」が正解と言わざるを得ません。

それでも……やむにやまれず出張しなければならない場合、どうしたらいいのでしょうか。

前項でもお話ししましたが、防疫・衛生活動の基本は「手洗い」「うがい」「洗顔」です。移動中はこうした衛生基本活動が十分にできなくなります。また、飛行機や電車といった交通機関では、不特定多数の人間(=感染している可能性がある人間)が同じ乗り物の中に長時間の密を形成。飛行機内で前後に乗り合わせた乗客らが感染を引き起こすケースも世界中で報告されています(2020年3月9日/イスラエル・テルアビブ発ドイツ・フランクフルト着2020年8月3日/札幌・千歳発東京・成田着などの事例)。

こうした点から考えると、出張における長距離移動時には以下のような点への留意が必要となります。

まず、徹底すべきはマスクの着用です。

2020年9月、釧路から関西へ向かうピーチ・アビエーション機内で、マスク着用を拒否した乗客が客室乗務員を威圧し、新潟空港に臨時着陸し該当乗客を降ろすという事例が発生しました。

現在、マスクは呼気・吸気のフィルタリング機能のためだけではなく、公共衛生や集団環境における安全・安心要素としての機能しています。

簡単に言うなら「新型コロナウイルスが怖いからマスクを着けていない人とは一緒にいたくない」という心理が働いている(=マスクをしていれば他者と冷静に対話・協調できる可能性が髙い)ということです。こうした点からも、マスクの着用はビジネスや公共の場での必須項目であると認識すべきだと考えられます。

また、出張等の長期移動中は手洗い・うがいなどが難しくなります。このため、手指消毒のための消毒用エタノール等の携帯は非常に重要です。移動が飛行機になる場合は、機内持ち込みなどのルールを確認しつつ携帯・消毒を徹底していく必要があります。手指消毒液などは市場への供給が回復しています。秋・冬期に向けて再度備蓄を確認していくことも重要と言えるでしょう。

そして、3に挙げた「上着の常備」はちょっとユニークかもしれません。

この上着、実は着込むのではありません。頭からすっぽりかぶってしまう、という使い方をします。つまり、簡易的な防護ガウンやマスクの代わりにするのです。

こうすることで自分の周囲の席での感染を防ぐというものです。そのまま寝てしまえば周囲の目も気になりませんし、活用した上着は乗り物から降りたら ビニール袋などに入れて荷物に入れて持ち帰り、ホテルでクリーニングに出してしまえばOKです。

そして駅や飛行場では手洗い・うがいを実践。ホテルに着いたら入浴して頭髪などもしっかり洗い流しましょう。

こうすることで移動中の感染を大幅に減らすことが可能です。

 

 

 

楽観せず、適切に対策を

現在、日本国内の感染者数は増加の一途をたどっています。東北を始めとする各地域では、都市圏だけでなく、周辺の市町村への感染拡大が確認されています。報道を見ていても、「第一波」のときのような重篤者の報道は少なく、センセーショナルな表現も影を潜めました。

しかし、世の中は間違いなく、まだコロナ禍の真っ只中なのです。

私たちにとって、ビジネスは非常に重要なものです。企業として、また企業人として、仕事を止めるわけには行きません。しかし、そうした状況があるからこそ、企業や個々人による衛生管理・防疫活動の重要性が高まっているのです。

これから、秋・冬期=インフルエンザの季節を迎えます。

インフルエンザウイルスが活性化するということは、新型コロナウイルスもまた活性化する可能性があるのです。

秋・冬期を目前に控えた今、改めて社内の防疫体制・衛生活動を見直す好機かもしれません。

安心・安全なビジネスを目指して。対面商談や出張の際の防疫・衛生について見直してみてはいかがでしょうか。

 

参考サイト